契約通りに完済した人でも生じる過払い金の仕組み

過払い金という言葉を耳にしたことがある人は多いと思いますが、その仕組みを理解している人は少なく、中には大きな勘違いをしている人もいるかもしれません。過払い金とは、手続き上の問題で間違って払ってしまったお金のことではありません。完済した人の中には、約定通りに返済しただけなので間違いはなかったと考えて、請求しない人もいるかもしれませんが、過払い金の仕組みを理解すれば返還請求できる可能性が有ることが分かります。利息には法律上の上限がありますが、かつては二種類の上限が設けられていました。

その二つの上限の間がグレーゾーンと呼ばれていた部分です。グレーゾーンは債務者が理解して任意に支払った場合は有効になるという解釈で運用されていましたが、ある時裁判所が違法だという判断をしました。これによって低い方の上限利息を適用して返済額を再計算できるようになりました。低い利息に引き直して再計算すれば払いすぎている部分が出て、この部分は元金に充当されることになります。

利息計算の対象になる元金が少なくなることになり、この状態が続くと元金の返済が終了しているにもかかわらず返済を続けている状態になります。低い利息上限なら完済しているにもかかわらず支払った部分が過払い金です。間違って支払った覚えのない人でも、利息の上限が変更される前にある程度の期間返済を続けていた人なら、過払い金が生じていても不思議ではない仕組みになっています。

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